白鳥の毒

この一ヶ月、またしても映画を観る回数が極端に減ってしまった。観たいと思う作品はいくつかあるが、こと邦画に言及すると、原作の方に興味がいってしまうことが多い。

◆海堂尊『チーム・バチスタの栄光 上・下』宝島文庫 読了

本作の最初の認知は映画予告編。けれども、「このミステリーがすごい!」大賞作品ということを知り、だったらまずは原作からということで、映画館の前に書店へ行ってしまった。

読み終えてストーリーを知った今、次に映画版を観るかと問われると、小説で事足りたと言うしかない。
が、登場人物のキャラクターはしっかり確立しているので、小説でファンになっちゃった人は、きっと映像で観たくなるんだろうと思う。

特に、後半から登場する白鳥のキャラが抜群だ。前半で、たいくつさ、事件行き詰まりの閉塞感を感じ始めたころに、満を持しての破壊キャラ登場。
眠気が醒めるというか、荒唐無稽さが爽快というか。


本書の解説では、この白鳥のキャラをドラマ「TRICK」の(自称)天才物理学者・上田に例えていたが、私的には「京極堂」の榎木津の例えの方がしっくりくる。
まぁ、映像化の際は、両方とも阿部寛が演じているけれど…そして本作も白鳥役は阿部ちゃん。なんだか似たキャラクターを演ることが多いのね。


書評では、「現代医療の問題点を突く社会派ミステリ」などと謳われているようだけれど、そしてそこに山崎豊子ふうの質感を期待していたのだけれど、わたしが読んでみて残ったのは、やっぱり主役二人の強烈なキャラクター性で、社会派という印象は生まれなかった。

ただ、相当、白鳥というキャラクターに毒されたのか、本作を読み終えてすぐに、二作目『ナイチンゲールの沈黙』を購入してしまった…。
by chatelaine | 2008-03-07 23:56 | BOOK

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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