CIRQEU DU SOLEIL 『DRALION』レビュー

シルク・ドゥ・ソレイユ好きの友人を誘って、『ドラリオン』を観にいってきた。

昨年の2月から足掛け一年…フジテレビの強力な物量宣伝に助けられつつ、全国をまわり、東京凱旋公演というわけである。(それで終わりかと思いきや、まだ福岡公演があるらしい)
しかし、凱旋公演ということば、たぶん造語だと思うけど、なんだか雄々しい響きで好ましい。いわゆる「どさ回り」が本分のサーカスにはふさわしい賛辞よねん。

私は前作の『キダム』も『アレグリア』も観ておらず、初めてのシルク体験。
TVスポットではやたらと「感動!すごい!」と連呼しているので、なにがどれだけすごいのかとっくと観てやろうじゃないの、という(いじわるばあさんのような)気持ちで臨んだ。


全体的に洗練されたショーだけれど、ともかく心に残るのは、超人的な子どもたちのがんばり。
軟体動物並みの身体の柔らかさで、なにもそこまでしなくても、と言いたくなるほどの恰好をキープする少女。落ちるんじゃないかとヒヤヒヤする空中ブランコ少女。次は何が?と期待させてくれる縄跳び少年。

澄ました顔の裏には、たくさんの努力があるのだろう…だが、もしかしたら、意外とパフォーマーとしての寿命は短いのかもしれない。自分の全身の体重を、長時間、片手で支えられる限界というのは、十代半ばぐらいまでではないか。


また、面白いのが、輪くぐりなどで一度失敗しても、再度チャレンジできる演出――音楽も生演奏なのでやりなおしがきく――になっているのだが、失敗したパフォーマーには、不思議と観客も肩入れしてしまい、いつも以上に身を乗り出して厚い応援と喝采をおくってしまう。
これって、人間の本能的な心理であって、そこを読みこんでいるシルクはやっぱり計算高いなあと…。

もう一つの計算は、飽きないようにプログラムが組まれていること。ショーの合間合間に、クラウンの行なう客いじりが、緊張した会場の気を緩ませ、一体感を高める。
このあたりの客いじりは『ブルーマン』にも通じるのだが、シルクの方は最後に「身内ですよ」とネタばらしをするところが、さすが親子向けのイベントというか、大人のいやらしさがなく、良心的で気に入った。


今年10月にはシルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場がオープンするらしい。
フジテレビ流の物量宣伝はほどほどにして、洗練されたニクイ演出で、楽しませてほしい。
by chatelaine | 2008-01-30 23:26 | STAGE

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko
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