『NOEL』レビュー/天使ふたたび

クリスマスのイルミネーションで輝いている銀座の大通りを歩いて、東銀座の劇場まで、『NOEL』を観にいった。
まったくタイムリーな公開日設定!さらに、観終えてから、なにかクリスマスのオーナメントを買いたくなること必至なので、それには銀座という場所は最適。(お財布には適していないけど…)


クリスマスの群像劇ということで、どうしても『ラブ・アクチュアリー』と比較してしまうのだが、そこには一歩及ばず、という印象を受けた。
もちろん十分楽しめたし、心もあたたまったのだけれど、『ラブ・アクチュアリー』を観たあとで、恋がしたい!と痛烈に感じたことを振り返ると、今回はむしろ、人とのぬくもりやふれあいを大事にしたい、と思える内容だったかなと。

登場人物それぞれの抱える問題が、重いということも、その一因かもしれない。
アルツハイマーの家族を持つ女、妻の死を引きずる老人、過剰な愛情をもてあます男…どうしようもなく行き場のない感情が、明るいクリスマスムードの裏にひそんでいて、全体的に大人向けの仕上がりを呈している。


主演のスーザン・サランドンは、『デッドマン・ウォーキング』のときからずっと、象徴的に「天使」というイメージが抜けていなかったのだけれど、本作でも「天使」になっていて、配役の妙を感じた。
けれども、この天使も実は孤独なのよね…。

あと、クリスマスの飾り付けをする登場人物たちを見ていて、装うこと、行事を楽しむことは、生活に彩りを与えるなぁと、改めて思った。
とりあえず、部屋の雰囲気向上のためにポインセチアを買ってみたものの、やっぱり天使のオーナメント、欲しいなぁ…。


【以下ネタバレあり】





ロビン・ウィリアムスの実像には驚かされた。病室の椅子に座っている最初のシーンで、まさかねと疑ったけれど、そういう展開の作品だとは思っていなかったので、スルーしてしまって。

また、スーザン・サランドンのつぶやいた「愛してるわ」には、誰に言っているのか、また意味はなんなのかと疑問を持ったのだけど、これもまたスルー。しかし、このつぶやきがのちのち効いてくるとは、うまい演出だなぁと。

ロビン・ウィリアムスがベッドの病人だと気付いてから、彼が泣き出しそうな表情で言ったセリフがよみがえってきた。
「神の存在を疑うようになった」
「ひとりでは死にたくない…望みすぎかな」
ななな、泣けてくるじゃないのよ。
(もし彼の役をショーン・ペンが演じていたら、ボロ泣きだっただろう)


そうそう、警官のマイクと、アーモンドクッキー男・アーティーのお話では、『Jの悲劇』再びかっ!と色めきたったのだけど、ちがったね(笑)
by chatelaine | 2005-12-13 23:26 | CINEMA

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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