『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』レビュー

最近は、ココ・シャネル、マーガレット・サッチャー、ハンナ・アーレントなど、女性の人物伝の映画を多く観ているが、この日は、ハリウッドの生んだ女優、グレース・ケリーを題材にした映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』を観にいってきた。
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グレース・ケリーが主人公ということで、ファッション寄りの女子ウケする内容なのかなと思っていたら、なかなか政治色が濃い話で、隣国のスパイまで出てくるものだから、西洋史好きには面白かった。わたしの贔屓のフランス(ドゴール政権)は悪者に描かれていたけれど。
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モナコには10年前に行ったことがあり、カジノにF1に社交界にと、とかく華やかなイメージがあるが、映画では小国モナコが独立を維持するために苦労している様子がよく描かれていた。軍事力もない、産業もないとあっては、確かに宗主国頼みになるだろう。むしろ、それでよく独立できていたな…と思ってしまった。
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グレース・ケリーを演じるニコール・キッドマンはそれはもう美しかった。
ただし、ストーリー的には、その美貌よりも、彼女が苦悩するシーンの方がメイン。アメリカ気質でハキハキものを言う女性が、古いしきたりだらけのヨーロッパ社交界で、どれほど苦労していたのか、女性誌などで取り上げられる「シンデレラ・ストーリー」の影の部分が描かれていて新鮮だった。
あと、地味に、実母とうまくいっていない様子も堪えるよね…。
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ラストの晩餐会でのスピーチは堂々たる気品。毛色は違えど、ちょっと「ハンナ・アーレント」のラストを思い出した。
一方、夫のレニエ公の魅力がよくわからなかったのが残念といえば残念。才色兼備のグレースが彼のどこに魅せられたのか…それはまた別な話なのかもしれない。
by chatelaine | 2014-10-26 23:21 | CINEMA

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko