『魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展』レビュー

国立新美術館で開催中の『魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展』に行ってきた。

バレエ・リュスは1900年代初頭のロシアのバレエ団で、わたしは学生時代にシャガールの絵で見て、初めて知った記憶がある。パリで成功し、天才ダンサー・ニジンスキーを生み、ピカソ、マティス、ジャン・コクトーなど当時の各界の芸術家がこぞって製作に協力したという、伝説のバレエ団。今回はそこで使われたコスチュームに焦点を当てた企画展ということである。
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展示室に入るやいなや、ものすごい色彩の波におそわれた。色の組み合わせが奇抜なのに、全体として統一されている優雅で繊細なデザイン。現代のバレエの衣装とはまったく違う。これではたして踊れるのだろうかと思ってしまうほどデコラティブなコスチューム。

バレエを総合芸術まで押し上げたバレエ・リュスだが、わずか20年の活動期間で解散してしまったというのがもったいない。「天才を見つける天才」と言われたプロデューサー、セルゲイ・ディアギレフのパワーだけで成り立っていたのか、彼が死んで、後を継げる人がいなかったということか。バレエ団として継続的に活動することの難しさが垣間見える。

あと、今回、ニジンスキーのことを軽く調べたら、ディアギレフの恋人だったとか、統合失調症をわずらっていたとか、ナチスの手が伸びてきたとか、なかなか激動な人生だったようで…。後半生は精神病院をたらいまわしにされたとか。どうして天才というのはこう、どこか病んでしまうんだろう。才能が突出する分、どこかほかの部分が欠けたり、あるいは突き抜けてしまうのだろうか。コスチュームとは関係ないけれど、ニジンスキーの生き方にすごく興味がわいてきた。


今回は息子と一緒に観にいったので、説明書きがまったく読めず、展示されていたコスチュームの流し見だけだったけど、いやはや眼福でした。
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この色彩センスは日本にはないものだなあ。ヴァチカンで見た、ミケランジェロがデザインしたサン・ピエトロ寺院の衛兵の制服が連想される。
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息子的には、洋服屋を連れまわされているような感じで、やはり退屈そうだった。ファッションに興味のある女児とは違い、普段から服にはまるで興味ないしね…。それでも去年、バレエ「白鳥の湖」を観にいったし、食いつくかな?とも思ったんだけど不発。

そもそも息子はボーダーTシャツにチェックのパンツを合わせるというセンスの持ち主。わたしも普段は「その組み合わせは変だと思うよ」と指摘しちゃうんだけど、バレエ・リュスの衣装を見ているとそんなことは些末に思えた。ま、本人の好きなように、自由な色彩感覚を味わってくれたらいいか。
by chatelaine | 2014-07-02 23:48 | ART

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko
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