『ディス/コネクト』レビュー/「家族だから」というだけでは繋がれない

息子がデイキャンプに行っている間の、夫との恒例映画デート、今月は『ディス/コネクト』を観にいってきた。
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「SNSの闇」というのはニュースなどでも報じられているが、SNSが原因で、というよりも、もともと潜在下にあった家庭の機能不全がSNSによってあらわになっていく、3つの家族が交錯する作品である。

毎日顔を合わせている家族なのに、お互いをなんと知らないことか。
息子が自殺を図った理由が一切思い当たらない父親。
子どもの死を受け入れられず、会話もふれあいもなくなる夫婦。
職業柄、子どもに過干渉になってしまうシングルファーザー。

彼らは決して悪人ではないし、家族を愛していないわけでもない。すごくまっとうな、ただ少し「家族だからわかりあえている」と慢心し、本質を見ていなかっただけの、普通の人々である。ストーリーが進むにつれ、そんな彼らがどんどん自分と重なってゆく。

この時代、おそらくこれからもSNSを使うことは避けて通れないだろうし、息子のSNSとの付き合い方も考えなくてはならない一方で、それ以前に、正直わたし自身もスマホ依存症ではないかと思う瞬間がある。
せめて家族といる時間は、目的もなくスマホを触るのはやめて、目の前にいる家族との時間を共有しなければ、いずれ大切なものを見失ってしまうぞ、という警告に思えた。
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あと、少し視点が違うので上の3つの家庭には当てはまらないのだけど、SNSで性を売る若者たちを取材するジャーナリストの話も別軸で展開されていた。こちらは、どちらかというとアメリカが抱える若者の貧困を浮き彫りにしている印象。

現実社会では居場所がなく、SNSでは自分の居場所がある。そんな若者も増えていくのだろうか。
上記の3家族はそれぞれ一度崩壊した後、再生に向かうと思われるシーンが示唆されていたが、こちら側のストーリーは救いがなく、アメリカ社会の貧困の深さを、あるいは日本にもこれからどんどん広がるであろう格差社会の足音を感じさせた。
by chatelaine | 2014-06-08 23:59 | CINEMA

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko
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