ケン・ヒル版『オペラ座の怪人』レビュー

2013年の観劇納めに、ファントム好きの友人とミュージカル『オペラ座の怪人』ケン・ヒル版を観にいってきた。
半年以上前にチケットを買っていたこともあって、座席は最前列中央。字幕だし、近すぎると逆に観づらいかと思ったが、オーケストラピットの幅が広めにとられていたため、舞台まで距離があって、最前列でも全体が見渡すことができた。
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有名なアンドリュー・ロイド=ウェバーの『オペラ座の怪人』の下敷きとなった作品ということで、どこがどう違うのか楽しみにしていたのだけど、楽曲が異なるのは当たり前として、登場人物たちの描かれ方が新鮮だった。

ファントムは「怪人」らしくばんばん人を殺し、ロイド=ウェバー版でファントムとラウルの間で揺れていたクリスティーヌは、ファントムのことを先生以上には見ていない感じ。そして、ラウルはやきもち焼きというか、心の狭い男だなあと思ってしまった…。
あとは、ロイド=ウェバー版にはいないキャラクターで、ファントムのペルシア時代の兄弟(?)が登場。このペルシア人、二幕ではけっこう活躍していたのだけど、彼が絡むと妙に場がコミカルになるのはなぜ…。

屋上のシーン、墓場のシーン、地下の湖など、場面設定はだいたいロイド=ウェバー版と同じだった。そういえば、「ファントム」という言葉は使われていなかったような?「ゴースト」という単語はちらほら聞こえたけれど。


楽曲はほとんどがオペラの曲で、キャストの発声もオペラ風だった。アリアが少なくて、ちょっと物足りないような気もしたけど、ファントムの登場シーンの歌はよかった。姿を見せず、低い声だけが聞こえ、その心の底から搾り出すようなかすれた声がとてもセクシー。ファントムは、今回の来日で最後かと言われている、ピーター・ストレイカー氏。けっこうお歳を召されていたので、本当に最後かもしれないな。(まだまだ歌えると思うけれど、ファントム役としてはお歳が…)

来年は、『オペラ座の怪人』の結末から10年後を描いた『ラブ・ネバー・ダイ』も上演される。 ファントムは鹿賀丈史と市村正親のダブルキャストで、わたしは鹿賀さんの方のチケットは取得ずみ。本作を観て、すっかり3月が待ち遠しくなった。
by chatelaine | 2013-12-26 23:34 | STAGE

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko