宝塚月組『ルパン-ARSÈNE LUPIN-/Fantastic Energy!』レビュー

宝塚好きの友人と一緒に、宝塚月組の『ルパン-ARSÈNE LUPIN-/Fantastic Energy!』を観に行ってきた。宝塚は通算3回目だけど、回を重ねるごとに、その魅力に惹かれている気がする。これがタカラヅカの魔力なのか…!
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第一幕の原作「ルパン、最後の恋」は、作者モーリス・ルブランの遺作であり、2012年に遺族の整理で発見され、出版に至った作品とのこと。ルパンシリーズは読破しているのに、どうりで読んだ記憶がないと思った。

宝塚は、ベタだけれども、女性を女性らしく扱ってくれるところが肝。
そもそも日本にはレディー・ファーストの観念がないことに加え、女性も男性と肩を並べて働く現代社会において、男性からあんなふうに敬意を持って大切に扱われることってないから、胸の奥で忘れかけていた、生物的には存在するはずの「守ってほしい」という女心がキュンとする。
宝塚が、どこか無条件に優しくされることを夢みてる女性たちの気持ちを掴んで離さないのは、そのせいかもしれない。

ルパンなんてその際たる人物で、「怪盗紳士」という名のとおり、盗みはすれど、女子供には紳士的にふるまうのがモットー。
そんなルパン(に加えて3人の紳士たち)が全力で守ろうとする令嬢・カーラに軽く嫉妬しつつ鑑賞。クールなはずのルパンに、「あなたに対するわたしの気持ちを知られてしまった」なんて言わせるとは…。(精一杯まわりくどいけどね)

というわけで、ルパンまさかのラブラブハッピーエンドには大いに不服ながらも、ガニマール警部は終始コミカルで「とっつあん」の方を思い出させてくれて愉快だったし、ルパンに密着取材していた作家が原作者のルブランだったとは、少し考えればわかりそうなものなのに、考えが及ばずヤラレタという感じ。


第二幕のレビュー『Fantastic Energy!』の方はというと、3回目にして様式美も把握し、その良さがわかってきたような気がする。初めて鑑賞したときは、ストーリー性のないレビューは退屈かも…と思っていたが、今回はダンスと衣装に見入ってしまった。

特に、もうこれ以上派手な衣装はないだろう、この人がトリだろう、という大方の予想をあっさり覆し、実はここからが真打ち登場なのだ、というルールがわかってきた。ゴールドのスパンコールのジャケットに、インナーはカリビアンブルーなシャツを合わせちゃいますか?!というような、奇抜な攻めの衣装は、まったくもって予想の上をいく。

ラインダンス、大階段、巨大な羽根など、伝統的な様式美を踏襲しながら、細部を変えて飽きさせないように見せていく。目線もバッチリ。その工夫とスター性がすごいなあと感じたのだった。
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【過去の宝塚鑑賞記】
■雪組「ドン・カルロス/Shining Rhythm!」
■宙組「モンテ・クリスト伯/Amour de 99!!-99年の愛-」
雪、宙、月ときて、一番印象に残っているのは宙組の七海ひろきさん。次は星組か花組に行ってみようかな。
by chatelaine | 2013-09-19 23:46 | STAGE

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko