『セザンヌ ~パリとプロヴァンス展』レビュー

夫と一緒に『セザンヌ ~パリとプロヴァンス展』に行ってきた。
1年ぶりくらいに訪れる国立新美術館は、これなら息子を預けなくてもよかったかな、というぐらい、予想よりも空いていて、スムーズに観ることができた。

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実を言うと、セザンヌのことは、そこまで好きな画家というわけではなく、果物の静物画の人、ぐらいの認識しかなかった。
今回、100%セザンヌな展覧会で、これだけじっくり彼の作品ばかり観てみると、いろいろなことに気づいた。

プロヴァンスといえば地中海のイメージが強かったけれど、同時に山の緑の豊かなこと。
りんごの静物画にはあたたかみがあって、「静物画」という言葉の響きから連想する冷たさがないこと。
テーブルナプキンの皺とか、ダマスクス柄の織物の文様とか、一見無造作に見えるりんごの配置も、実は計算しつくされ、作りこまれているということ・・・。

で、こういう画家に焦点を当てた企画展だと、作品はもちろんだが、画家本人に興味が出てくる。
セザンヌは、りんごをモティーフに100点以上の作品を描いたり、お気に入りの陶器を十何年にもわたって描き続けたり、なかなかこだわりは強そうな御仁だ。 プロヴァンスの裕福な家庭の出身だが、田舎者であることには間違いなく、都会の貴族出身のドガを敵視していた、というエピソードも人間味があって面白い。

とはいうものの、当時の文化の粋を集めた花の都パリと、自然の美しいプロヴァンスを行ったり来たり、デュアルライフを送っていたよう。 なんとも贅沢なライフスタイル。
最後に展示されていた、プロヴァンスのアトリエの再現も、セザンヌのお気に入りのものたちに囲まれた生活を想像させる、とても興味深い内容だった。


国立新美術館は、5月にも、『エルミタージュ展』のために来館する予定。
帰りがけにポール・ボキューズのメニューをちらっと見たら、キッズランチができていたので、次回は子連れランチしたいところ。
by chatelaine | 2012-04-15 23:28 | ART

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko