『ギャングスター・ナンバー1』レビュー/男の嫉妬

今日も夜中にビデオ鑑賞。またまたロンドンが舞台の作品、『ギャングスター・ナンバー1』です。本作といい、昨日の『トレインスポッティング』といい、イギリス英語が特徴的なんですけど、内容がらか、「fack'in」と毒づくセリフの多いこと。アメリカの専売特許かと思いきや、イギリスでも使うんですね(笑)

本作は、かつてのロンドン裏社会のボス・フレディに、羨望と嫉妬を抱いていたギャングスターの狂気のお話です。
はじめは、フレディの身なりの良さ、落ち着いた紳士的態度、怒らせたら怖いけれども気に入られたらかわいがられるふところの広さ、などに憧れていただけだったのに、そこに女がからんだせいで、だんだんと嫉妬や野心を燃やし、ついにはフレディを追い落とすギャングスター。

このギャングスターを演じている、ポール・ベタニーの静かに狂った表情がいいですね!特に、鏡越しに、ちょっと上目遣いで、ガン飛ばしている表情が。何を考えているかわからない人の恐ろしさが、とても感じられました。なんとなく、若かりし頃のヘルムート・バーガーを髣髴させます、ステキ♪

そして、ポール・ベタニーよ、フォーマルなスーツの似合うこと!作中の、英国紳士の着るスーツや靴がイタリア製というのが、やっぱりデザインはイタリアかぁ、といった感じでなんだか笑えるのですが。ネクタイピンやカフスに凝るところも、当時の紳士的美学を感じますね。


さて、ギャングスターは、かつてのボスだったフレディよりもお金を稼ぎ、名も知れて、フレディの持っていたものはすべて手にしますが、それでも30年の懲役をくらって出所したフレディに負けている気がする。そしていらだつギャングスター・・・。

二人の間で、何が違うのでしょう。
女性から本当の愛を得られたかどうか?もって生まれた品格の違い?それとも、「弟子は生涯、師匠を越えられない」というセオリーがここでも適応される?

自分が憧れた男を越えられない哀しさ。社会的地位は自分の方が上になっても、なぜか敗北感がぬぐいきれないみじめさ。自分が執着しているものを、あっさりと捨てて幸せになろうとしていることへの嫉妬。相手と比べて矮小な自分に対する情けなさ。
こういった負の感情が染み込んだ作品でした。・・・女の嫉妬も怖いけど、こうしてみると、男の嫉妬も厄介ですねぇ。
by chatelaine | 2005-08-08 23:09 | CINEMA

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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