『ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展』レビュー

上野の西洋美術館で、本日最終日の、『ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展』に行ってきました。私、彼の絵はルーヴルで観た(と思う)のですが、いかんせん曖昧な記憶しか残っておらず、私の記憶よりかは信頼できる、現地での写真やメモ類を見返してみたのですが、特に何の記述もなく…。

要は、ルーヴルでは、私のアンテナに引っかからなかった画家ということです(笑) なので、これを機に少しお勉強しようと、『芸術新潮』3月号を買って、ラ・トゥール特集を読んでみました。


ここで、お勉強の成果を少し書くと、彼は17世紀のフランスの画家で、ということは時期的にもやはり、メインは宗教画となるわけです。12使徒・マグダラのマリア・各種聖人たち…。これだけだと、企画展をするほどのこともないように思われるのですが、彼には別に、二つの大きな特徴があるのです。

ひとつは、彼は死後、その作品が忘れらさられ、20世紀になって再発見された、きわめて謎の多い画家であるということ。別名「フランスのフェルメール」だそうで。ゆえに、作品の多くが紛失され、現存する真作が40点ほどしかないらしいのです。(どうやらこの展覧会は、その半数が来ていることが、ウリみたい)

しかし私には、忘れさられる、ということが、どういうことなのかイマイチ理解しがたいのですが…。だって、生前から評価され、王室付の画家にもなったくらいなのに、いくら戦争ばかりの時代だったとはいえ、忘れるっていうのは、ひどくないですかね?家族もさぁ…働きかけようよ(笑)

もうひとつの特徴は、彼はわりと早い時期に、「光と闇」をうまく使い分けて描いた、数少ない画家の一人だということ。「光と闇」というと、カラヴァッジョやレンブラントを思い浮かべますが、二人の技法が「動」を表すとすれば、ラ・トゥールの絵は「静」です。これは、シロウト(の私)でも観比べればわかります。

静謐、という言葉が、一番よく似合う画家かもしれません。そして、夜もまたよく似合う。画中の光には、昼の太陽の光か、夜の蝋燭の光が、光源として利用されるのですが、私は断然夜派ですね!!やっぱり、ラ・トゥールの本領は、夜の情景です。

私の中で、ラ・トゥールの絵は、「夜の部屋に、光源となる蝋燭が一本あって、それに照らし出される人物が、ひっそりと瞑想している」というイメージにおさまりました。ただ、このイメージを崩すような、動的な絵も、ないことはないのですが。それはまた上級者編ということで、ラ・トゥール入門者の私には、やっぱり静謐なイメージが勝つのでした。


それとですね、展示の仕方が少々難有りでした。絵画とその説明パネルの位置がずれてる…同じ構図の作品が、比較しづらい位置関係にある…。この美術館、いつも展示方法がイマイチなんですよね。建物の構造上の問題なのかなぁ。
by chatelaine | 2005-05-29 23:30 | ART

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko