ヴィスコンティ大全

映画監督ルキノ・ヴィスコンティというと、ミラノの貴族の末裔で、デカダンで、完璧主義者で、同性愛者、という特徴がパッと思いつくだろうか。
最近では、「映像の世界遺産」というコピーもよく見かける。


ミラノにヴィスコンティ家という公爵家があり、彼らが14世紀のミラノの君主であったことは、イタリアルネサンスを勉強した際に学んでいたが、それがこの監督の家系だなどと思いもしなかった私は、ちょうどミラノを訪れたときにそのことを知って、一本も作品を観ずに来てしまったことを悔やんだ。

帰国後、はじめてのイタリアであらゆる芸術に衝撃を受けたことから、それまで塩野七生の本の中でしか知らなかったヴィスコンティの、映画を観てみようと決めた。偶然にも授業であつかわれた『ベニスに死す』を皮切りに、取りつかれたように観漁る日々…。
d0059811_15222756.jpg
たぶん、のめりこんでしまったのは、ハリウッド嫌いの諸先生方(主として仏文系)の講義と、もうひとつにはヴィスコンティ映画祭の影響が大きかったのだと思う。

スクリーンで観たときの、その華麗さ。
俳優、舞台装置、音楽、衣装…個々が芸術の域にまで昇華され、全体でヨーロッパの品格を発散させているような映像。

そういう意味では、私の持つ、西欧文化の美学に関する認識は、ヴィスコンティに教わった、と言っていいかもしれない。


順次、作品のレビューと、関連する記事とを載せていこうと思う。

***************************************
【ヴィスコンティ監督作品一覧・レビュー】

◆郵便配達は二度ベルを鳴らす/Ossessione (1943)
◆栄光の日々/Giorni di gloria (1945)
◆揺れる大地/La terra trema (1948)
◆ある三面記事についてのメモ/Appunti su un fatto di cronaca (<月刊記録第2号>から・1951)
◆ベリッシマ/Bellissima (1951)
◆アンナ・マニャーニ/Anna Magnani
(われら女性/episodio di Siamo donne から・1953)
◆夏の嵐/Senso (1954)
◆白夜/Le notti bianche (1957)
◆若者のすべて/Rocco e i suoi fratelli (1960)
◆前金/Il lavoro
(ボッカチオ'70/episodio di Boccaccio'70 より・1962)
◆山猫/Il Gattopardo (1963)
◆熊座の淡き星影/Vaghe stelle dell'Orsa… (1965)
◆疲れ切った魔女/La strega bruciata viva
(華やかな魔女たち/episodio de Le streghe から・1967)
◆異邦人/Lo straniero (1967)
◆地獄に堕ちた勇者ども/La caduta degli dei (1969)
◆ベニスに死す/Morte a Venezia (1971)
◆ルートヴィヒ/Ludwig (1973)
◆家族の肖像/Gruppo di famiglia in un interno (1974)
◆イノセント/L'innocente (1976)
by chatelaine | 2006-01-20 11:22 | EUROPE

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko