『アメリカン・スナイパー』レビュー

日本でもにわかにISに焦点が当たっているところに、珍しく、夫と観たい作品が一致したこともあり、イーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』を観にいってきた。
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予告編だけは見ていたけれど、あまり事前に情報をインプットせずに観たものだから、実話ということも知らなかった。主人公のスナイパーはつい2年前に亡くなったばかりらしい。それにしては映画化が早いなという印象。


世の中のレビューには、アメリカ側からの視点しかないとの批判もあるようだけど、アメリカ人のイーストウッドが作るのだから、アメリカから見たイラク戦争を描いているのは当然なわけで、その上で観客がどう受け止めるかだと思う。

わたしはそこまでアメリカ万歳的な内容だとは思えなかったし、むしろ、観終えてもむなしさしか残らず、これはやっぱりイーストウッド流の反戦映画だと感じた。


誰だって、憎しみの連鎖は愚かだと思うだろう。しかし、当事者になればなるほど、「目には目を」「友人の敵を」の思考に陥ってしまう怖さ。
また、主人公が従軍から戻って、戦争など存在しないかのように生活している人々とのギャップにイラつく感情が、観客に共感されるように作られていた。


イラク戦争が勃発したとき、わたし自身ももう子どもではなかったくせに、世界でこんな現実が起きていたことを知ろうとしなかった。

今も、シリアやレバノンではこのような事態が日々起きているのだろうか。人類は負の連鎖を断ち切ることはできないのか。報復が報復を呼び、世界はいったいどうなってしまうのか…。

音のないエンドロールでそんなことを考えた。

by chatelaine | 2015-02-22 23:41 | CINEMA

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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