蜷川シェイクスピア『ハムレット』レビュー

今年で御年80歳になるという、蜷川幸雄演出の舞台『ハムレット』を観に行ってきた。
蜷川氏がハムレットを演出するのは8回目だそうで、過去の出演者を見ると、ハムレット役に平幹二郎、渡辺謙、真田広之、市村正親と、そうそうたる顔ぶれが並んでいる。
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今回のハムレットは、蜷川ハムレットで二度目となる藤原竜也。10年前の彼のハムレットは伝説と言われているそうで、それを観ていないわたしは、今回はなんとしてもと思ったのだった。

期待の藤原ハムレットは、声が枯れていたけれど、苦悶の表情はあいかわらず圧巻だった。でも、藤原くんの苦悶シーンはこれまでほかの舞台で何度も観てきたので、これがハムレットぽさといっていいのか、残念ながらわからなかった。

対するオフィーリアは満島ひかり。序盤の無邪気さがちょっと硬かったような気がするが、後半で気がふれてからの、呆けたような空をさまよう視線がよかった。オフィーリアは静と動でいえば静だけど、狂気の静というのはなかなか難しそう。そして彼女の身体が細すぎて心配。

そして、満島姉弟が兄(レアーティーズ)と妹(オフィーリア)で出演するというのも憎いキャスティング。ふたりとも、それぞれ別の舞台で観ているのだけど、なかなかエグイ役をやっていて見ごたえがあるもので、このキャスティングはうれしかったな。

最後に、かつてハムレットをやった平幹二郎のクローディアスが、おもむろに服を脱ぎだして、ふんどし一丁で冷水をかぶるシーンには度肝を抜かれた。本当に冷水かどうかはわからないけれど…心臓に悪そうだし、寒そうだし、そしてなにより老いたその裸体を惜しげなく見せる意気に、役者魂を感じた。うん、かっこよかったよ。


さて、これで蜷川シェイクスピアの四大悲劇はコンプリートしたと思う。
このシリーズのパンフレットの重厚な装丁が好みで、今回も買ってしまった。保管場所に困るから、パンフはあまり増やしたくないんだけど、いたしかたない。

by chatelaine | 2015-01-31 23:46 | STAGE

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko