舞台『プルートゥ PLUTO』レビュー

今年一本目の観劇は、手塚治虫×浦沢直樹の人気コミック「プルートゥ PLUTO」の舞台化作品。
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最近、漫画が原作の舞台が増えているけれど、考えてみれば2.5次元モノを観るのは初めて。原作を貪るように読んだのは何年前だったか…。

PLUTO (1) (ビッグコミックス)

浦沢 直樹 / 小学館

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今回、ストーリーの端々を忘れていたことに加えて、コマ割になっているセットに原画を映し出す演出が斬新で、まったく飽きない3時間だった。期待以上に2.5次元を堪能。


何はともあれ、主役のアトムを演じる森山未來の美しいダンスが見ごたえあり。戦闘シーンでは、爆風の中、風のように舞うアトムを、しなやかな身体で表現していた。

中東を舞台にした作品ということもあり、この役は、イスラエルという地での1年間の鍛錬から戻ってきた森山くんとシンクロしているように思えた。

演出と振付はシディ・ラルビ・シェルカウイ。世界中を股に掛ける、話題の振り付け師によるダンスを一度見てみたかったので感激もひとしお。


また、大人の女性の代表格のようなゲジヒトの妻・ヘレナ役と、愛くるしいウランちゃん役の二役をこなす永作博美の童顔パワーがすごい!永作ウラン、違和感なかったし…。


本作のテーマである、「憎しみの連鎖はどうやって断ち切るのか」という問題提起は、いろんな作品で嫌というほど描かれているのに、哀しいことに現実世界ではなくなる気配がない。

ものごとを合理的に判断できるはずのAIでも、人間に近づけば近づくほど、つまり優秀なAIになればなるほど、(憎しみも含めた)感情を覚える、というのが逆説的で切なくなる。

また原作にある、父と子の複雑な関係性もカットされずに入っていて、アトムの育ち、サハドの育ち、それぞれに思いを馳せた。

漫画でも舞台でも、さまざまな側面から考えさせられる作品である。
by chatelaine | 2015-01-14 23:28 | STAGE

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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