『チューリヒ美術館展』レビュー

国立新美術館で開催中の『チューリヒ美術館展』に行ってきた。
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モネ、ゴッホ、ピカソ、ダリ、セザンヌの作品がきていて、「すべてが代表作」と謳ってはいるけれど、私的には「代表作?」と疑問符が付くような、正直なところなんとなくインパクトに欠ける展覧会であった。
けれど、チューリヒに行くことはそうそうできないし、こうして日本でまとめて観られることには感謝。とりわけモネの「睡蓮の池、夕暮れ」という、6m×2mの大作を観て、運搬が大変だったろうなと、苦労が忍ばれる。

生粋のスイス人画家というところでは、今回はホドラーとヴァロットンがそれにあたるらしい。両者とも今年に大規模な回顧展が開かれているあたり、さすがにスイスとの記念の年(国交樹立150周年)を無駄にはしないなあと思った。

今回の展示で、ホドラーのパラレリズムの片鱗に触れたので、上野の「フェルディナント・ホドラー展」でもっと掘り下げてみたかったのだけど、スケジュール的に観にいけなさそうで残念。
そして、三菱一号館美術館でやっていた「ヴァロットン展」にも行けなかったので、ここでいくつかのヴァロットンを観られてよかった。


本展で一番心に残ったのはココシュカ。全然スイスの画家ではないけれど、久しぶりにウィーン分離派を観て、心が揺れた。そしてクリムトが観たくなった。世紀末っぽい、不安定な美を欲しているときって、自分自身の内面も不安定だったりするんだろうか。

後は、エルンスト・バルラハの彫刻「難民」がとてもよかった。このシンプルなタイトルからは、作品の背負う具体的な背景まで読み取れないが、何かから必死で逃げている切羽詰った悲壮感が出ている。
その一方で、逆に、貧しき人々を逃すまいとする「死神」のようにも見えた。

こういう新しい出会いがあるから、美術館通いはやめられない。それがたとえ、代表作、といわれるものでなくとも。
by chatelaine | 2014-11-24 23:56 | ART

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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