ミュージカル『モーツァルト!』レビュー

帝国劇場で上演中のミュージカル『モーツァルト!』を観にいってきた。

モーツァルトを題材にした作品は数あれど、やはり筆頭は映画「アマデウス」だろうか。冒頭の、馬車を駆けるシーンの映像と音楽が頭にこびりついている。映画と舞台という違いはあれど、本作は「アマデウス」を超えるインパクトを与えてくれるのか?というのが今回の観劇のポイント。
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主人公ヴォルフガング役は井上芳雄と山崎育三郎のダブルキャスト。井上芳雄は、モーツァルトが亡くなったのと同じ、35歳になったということから、今回のモーツァルトで、彼の当たり役でもあったヴォルフガング役を卒業するというので、これは観ておかねばと思ったのだった。
いつにもまして軽やかな動きで、緋色のマントがとてもお似合い。
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「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」というのが本作のテーマらしく、才能の化身である幼少期のヴォルフガング(アマデ)が出ずっぱりなのも頷ける。衣装も重そうだし、アマデ役の子役は地味に大変そうだ。

さて、「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」とは、まるでニーチェが語ったかのような哲学的な問いかけである。「アマデウス」はサリエリから見たモーツァルト像なので、天真爛漫な天才として描かれていたが、本作では、保守的な父親と強欲な大司教によって、モーツァルトが肉体と魂が引き裂かれる苦しみを叫んでいるように思われた。

そう、父親といえば、レオポルト役は市村正親。闘病中と聞いていたけれど、お身体回復されていてよかった…。
コロレド大司教役の山口祐一郎は歌が群を抜いて上手だし、身長もあって舞台映えするので、かなり迫力があった。声量もすごい。

ミュージカル・ナンバーの中では、ヴァルトシュテッテン男爵夫人役の香寿たつきの「星から降る金」がとても沁みた。愛しているなら自立させよ、というのは、子育ての永遠のテーマだよねえ。心配して管理したがるパパの気持ちもわかるんだけどさ…。それじゃあダメなんだよ…。

総合的に、モーツァルト自身の曲が使われているわけではないが、耳に残るナンバーが多くて、とても気に入った。これまでロンドンミュージカルをメインに観てきたのだけど、来年は同じウィーンミュージカルの「エリザベート」にも初挑戦しようかな。
by chatelaine | 2014-11-16 23:59 | STAGE

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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