『マダム・マロリーと魔法のスパイス』レビュー

「ショコラ」のラッセ・ハルストレム監督の最新作、『マダム・マロリーと魔法のスパイス』を観にいってきた。
原題が「THE HUNDRED-FOOT JOURNEY」ということを鑑みると、「魔法のスパイス」という邦題は飛躍している気がする…。なんか怪しいスパイスの方を連想してしまうのは私だけ?
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ミシュラン一ツ星の格式あるレストランのオーナーマダムと、その向かいに大衆的なインド料理屋をオープンさせたインド人一家との間で起きる異文化ならではのドタバタを、時にエスプリの聞いた辛辣な言葉の応酬でコミカルに、時に移民問題を抱えるフランスらしく人種差別をシリアスに、描いている。

両者がだんだんお互いをわかりあっていく過程に頬が緩み、とりわけ、高慢なフランス人マダムが、口では皮肉を言いながらも、異文化を尊重する姿勢に心がスッとする。
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あと、これまであまり意識したことがなかったのだけど、ミシュランの星はレストランにつくというより、そこのシェフにつくものなんだね。だから、オーナーシェフでない場合、星付きシェフはどんどんいい条件のお店に移るわけで、シェフの引き抜きや、移籍金や待遇やら、マスコミの煽りようやらは、なんだか大リーグやサッカーリーグの世界を思い起こさせた。

でも結局、主人公はパリでの刹那的な刺激では物足りなく感じたのだろう。地域や店や人々に根付いて、星を取るレストランに育てることを選んだ。遠いインドからやってきて、流浪の果てに土地に受け入れられ、根付いてゆくという一連のストーリー(現題の意図はこれだろう)に心が温まった。
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最後に、エンドクレジットを見てびっくり。なんとディズニー映画だったとは。終わり方の気持ちよさもディズニーっぽいといえばディズニーっぽいけど、ディズニーなのに、単館系でしか上映されていないのが意外だし、もったいないな。
by chatelaine | 2014-11-13 23:56 | CINEMA

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko