『建築家ピエール・シャローとガラスの家』レビュー

パナソニック汐留ミュージアムで開催中の『建築家ピエール・シャローとガラスの家』の内覧会に行ってきた。
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ピエール・シャローという建築家のことは、この展覧会で初めて知ったのだけど、彼の出発点は建築家というより家具職人だったらしい。

前半は、シャローのデザインした家具がたくさん展示されている。まるでおしゃれなインテリアのショールームのよう。
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学芸員の方の解説によると、シャローの家具は可動性があるのが特徴とのこと。
柔らかい半透明の光を照らし出すアラバスター製のテーブルランプも、可動式で変形するのだそう。
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そういえば、「アラバスター」という手塚治虫の作品があったなあと思い出した。あちらは歪んだ美の話であったが。
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こちらの直線的で幾何学的なアールデコの書斎机も、袖卓が扇状に可動する美しいデザイン。
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ずらりと並ぶ椅子たち。
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一本足のテーブル。ジョイントでテーブルをくっつけるという、発明的なセンスもあったシャロー。
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どれも、一見シンプルなデザインの家具なので、庶民にも手が届くものなのかと思いきや、なかなかどうして高級な素材を使っており、富裕層しか手に入らなかったらしい。

シャローのデザインする家具にはコラボレーションもよく見られたとのこと。
例えば、木と金属を組み合わせて作った「ロベール・マレ=ステヴァンス」モデルの机はその際たるもの。
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まず標準形を作り、バリエーションで数種類のデザインを発展させていくやり方は、きたるべき大量生産時代前夜の近代的な発想だという。


展示の後半は、シャローの代表作「ガラスの家」について、映像を交えた紹介がされていた。
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この、壁一面がガラスブロックでてきた家は、パリのサンジェルマン・デ・プレにあって、現在も住人がいるため、ごく限定的にしか公開されていないのだそう。
「La Maison de Verre」、なんて贅沢な響き…。ぜひ一度行って、ガラスと光の具合を実際に見てみたい。
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建設当時、3階の住人が立ち退かなかったため、3階はそのまま残して1階と2階だけを大きく改築したという経緯があるこの家。まっさらな状態から作る方が楽だろうに、制限のある中でここまで独創的なデザインと設計ができるなんて。
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モダンな家具と革新的な建築を楽しめる展覧会だった。

※写真は主催者の許可を得て撮影されたものです。
by chatelaine | 2014-09-17 23:11 | ART

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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