GMNマンスリー企画「人間力の基盤づくりのために家庭でできること」講演メモ

6月のグローバル・ママ・ネットワークのマンスリー企画、「人間力の基盤づくりのために家庭でできること ~考え、共感し、伝える力を育むために~」というテーマで、米在住のジャーナリスト・菅谷明子さんのお話をうかがってきた。菅谷さんはボストン在住で、メディアリテラシーや図書館の活用がご専門とのこと。

以下、アメリカから見た日本の教育、子育てにおけるメディアとの付き合い方など、気になった部分のメモ。


<菅谷さん基調講演>
・アメリカから日本を見ていて、「共感力」「考える力」「多角的なものの見方」「柔軟性」が弱いと認識
→親自身がこれらを持っていないと、子どもが持てるわけがない

・アメリカでは、リーダーであればあるほど「共感力」「行動力」「責任感」がある。
対して日本ではそれらがない。まずもって相手の立場を慮る能力がない。
→本の読み方にも通じる。共感するものばかり読んでいては偏り、世界が狭くなる。自分にないもの・知らなかったものを読まねば本を読む意味がない。

・アメリカの初等教育例
例えば、「障がい者」というテーマで横断的に学んだ際に「車椅子で近所の道が通れるか?」が宿題。結果、車椅子では通れないことを実感し、子どもたちが主体的にボランティアを行い、売上は専門の研究機関に寄付するところまでやる。
→いかに貢献するか?実行するか?までがアメリカの教育。

・しかし教育制度を変えるのは難しい。では、家庭でどう取り組むか。


<菅谷さん、大崎さんの対談:家庭での取り組み例>
・IB教育では1つの作品の感想を数人でシェアすることで、多角的な視点が養われる。日本では感想文を書いて終わり、誰ともシェアしない。もったいない。

・思春期に文学(特に古典には複雑さが詰まっている)に触れることの意味は、自分を客観視できるようになること。逆に、高等教育からいきなりIB教育を受けるのは、それまでの日本の教育とギャップがありすぎて厳しい。

・子どもの読書に関して、幼少時から家庭でできることは?
→表紙デザイン、タイトル、誰が語っているのか?など、親子で一緒に読みながら考える。本を使って思考をふくらませることは大切だが、実際の体験には負ける。

・図書館の可能性として、学校教育ではできないことができる。失敗してもOK、成績もつかない。親子のブックディスカッション(映画でも良い)などが効果的。


<質疑応答>
・シェアリングの意義と方法は?
→作文のシェア。3人でまわし読み。
→遊びと一緒に自宅で読書会(アニメでも映画でも可)。親の企画力が問われる。
→「どうしてそう思うの?」フックに家族でディスカッション。考えていないから質問できない。考えたことを言語化するクセを。

・小学校の読み聞かせの後に、感想をシェアする時間を取っている。子どもたちは意外と様々な意見を受け止めてくれる。「意見が違ってもいいんだ」という空気を作る。

・まわりの評価や判断に左右されるのをどう回避するか?
→場を作り変えてみる。価値観の転換。ダイアログ・イン・ザ・ダークなど。

・メディアを教育にどう生かすか?
→TVはなし、iPadは時間を決めている(菅谷)
→TVはよく見る。一緒に見て問いかけたり、相対化させたりしている(大崎)
→広告の意味やコンビニのパッケージなど、日常にあるもので問いかける(菅谷)
→スピードが速い時代だからこそ、ゆっくり進める読書を大事に(大崎)


<本を通して学びあうことについて>
問題点:ノンフィクションのクオリティが低い日本
→個人の意見が全てになっており、原典・根拠が不明。
→書き手(子どもを含め)をどう育てるのか。
→意味のない本や、タイトルで釣られ買いしない。読者も賢くならねばならない。クオリティの高いものを求め、マーケットをシフトさせる。


<全体的な感想>
「いかに社会に貢献するか?」という意識は、親であるわたし自身でさえ薄い。子どもというより、まずは自分が意識して取り組んでいきたいと思った。

で、家庭でやれることをリストアップ。
・だんだんノルマ的になっている1日2冊の読み聞かせを、「なぜ?」をフックにして、もう一工夫する。
・親子のブックディスカッションなど、図書館でのイベントをリサーチし、自宅で展開できそうなものは取り入れる
・わが家は映画をよく観にいくので、感想のシェアリングやディスカッションのフレームを作ってみる。旅行などでも応用できるかも?
・小学校で読み聞かせボランティアで、感想をシェアする場を作る。

何はともあれ少しずつ実践してみるべし。
by chatelaine | 2014-07-01 23:15 | 子どもの教育

欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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