『バルテュス展』レビュー/スイスより和の心を

東京都美術館で開催中の『バルテュス展』のイベント「バルテュスナイト」に参加してきた。なんと、バルテュスの晩年をともに過ごした節子夫人もご登壇。小柄な身体から発せられる凛としたたたずまいに、こちらまで背筋が伸びる思い。
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バルテュスという画家を知ったのは、実はこの展覧会でだった。若い頃の写真を見るにつけ、一瞬、ショーンペンか?と見まごうビジュアル。
ちなみにスイス人だそう。
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今回の展覧会では代表作がたくさん集められていたけれど、個人的には、彼の作品というより、リルケ他、そうそうたる芸術家に囲まれて育った幼年期や、節子夫人との暮らし、日本文化への知見など、バルテュスの生き方のほうに関心がわいた。

そんな鑑賞者の気持ちを先読みしているかのように、絵画作品だけでなく、バルテュスの愛用品やアトリエの再現、そして自身の着物姿の写真もいくつか展示されていた。
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驚いたことに、バルテュスは着物を着せられている感がまるでなく、日本にもこういう佇まいのおじいさんいるいる!という印象。節子夫人を通じて、和の精神世界を知るバルテュスならではの雰囲気。
撮影はやはりというかさすがというか、篠山紀信。
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さて、わたしが作品の中で気になったのは、少女たちの煽情的なポーズ。気だるげとも無邪気ともとれるその表情は、大人の女性に近づきつつある一定の時期の美しさを放っている。フレスコ画ふうの質感も独特で、思わずカンバスに触れて、ざらりとした感触を確かめてみたくなる欲求に駆られた。
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最後に、物販コーナーで、節子夫人の着物についての本をぱらぱら見たところ、品があるデザインから遊び心のある斬新なデザインまで、目を奪われるコレクションだった。「節子夫人の着物コレクション展」とか開催してほしいな。そして、一度、夫人の話、とりわけ異国で芸術家の妻をやることについて、話を聞いてみたい。

今回初めて知ったバルテュスが、節子夫人という存在によって、遠い国の画家という気がまったくせず、日本にゆかりのある画家として身近に思えたのが、一番の収穫だったかもしれない。
by chatelaine | 2014-04-28 23:01 | ART

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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