旅情たっぷりの角田エッセイ

kindleセールで購入した、角田光代の旅行エッセイが大当たり。
角田さんが旅好きとはまったく知らなかったけど、文章だけで旅心をときめかせてくれる。

角田光代『いつも旅のなか』角川文庫 読了

いつも旅のなか (角川文庫)

角田 光代 / 角川グループパブリッシング

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よく個人の旅行ブログなどにある、
「どこへ行きました」「何をしました」「何を食べました」
といった写真だらけの旅行記(行動記録)とは違い、角田さんの旅行記は写真がなくても情景が目に浮かぶような、すばらしい描写力。旅の中での着眼点と、テーマの切り取り方がほかと違う。これがプロ作家の旅行記なのだとしみじみ感じた。

「旅にも年齢がある。その年齢にふさわしい旅があり、その年齢でしかできない旅がある。このことに気づかないと、どことなく手触りの遠い旅しかできない。旅ってつまんないのかも、とか、旅するのに飽きちゃった、と思うとき、それは旅の仕方と年齢が嚙み合っていないのだ。」

旅のエッセイでは、断然、須賀敦子を愛読しているのだけど、本作は次点に次ぐほど気に入ってしまった。
個人ブロガーの旅の記録も、もちろん旅先の情報収集としてはありがたいのだけど、いわゆる物語ではない。わたしも角田さんのような、旅情をそそる文章が書きたいなあ。

「どうしてもいきたいと思うところへいかない、どうしても見たいと思うものを見ない、というのは、私にとって、何か、生きていくことの細部を一個ずつあきらめていくことに通じている。」

ああ、旅がしたくてたまらない!
by chatelaine | 2014-02-22 23:43 | BOOK

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


by yukiko