海外ドラマ『ウォーキング・デッド』シーズン1~3考

夏の終わりから、『ウォーキング・デッド』という海外ドラマにはまっている。夜な夜なシーズン1から3までをDVDで観て、シーズン4はFOXチャンネルで放映中のものをリアルタイム鑑賞。

ウォーキング・デッド Blu-ray BOX

角川書店

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主人公の保安官・リックが職務中に撃たれ、病院で意識を取り戻したときには、なんとゾンビ(ウォーカー)が跋扈する社会になっており、状況がまったくわからないまま、生き残った人間でサバイブしていくというストーリー。

パニックムービーと言ってしまえばそのカテゴリなのだけど、その極限状態で展開される人間模様が面白い。フランク・ダラボンの制作作品ということで、このあたりは映画「ミスト」の集団心理に通じるものがあるかと。

ちなみに、人間の血や肉や内臓が普通に出てきたり、人間がむしゃむしゃ食べられてしまうなど、かなりグロテスクな映像なので、これが苦手な方にはまったくおすすめできませぬ。


◆シーズン1
リックが病院で目が覚めると世界は一変!人間を喰う「ウォーカー」というゾンビが町を跋扈し、噛まれたり引っかかれたりすると人間もゾンビ化するため、ひたすらウォーカーの脅威から逃げる。奇跡的に家族や仲間と合流し、政府の救助を求めて移動するが、すでに軍も疾病センターも機能していないことを知って愕然となる。
この作品の世界観を描いているシーズンで、プロローグ的な位置づけかな。


◆シーズン2
リックの息子・カールが誤って撃たれたことから、農場に居候させてもらうが、その農場主との意見の相違から、さまざまなトラブルが勃発。また、行動をともにしていた同僚シェーンとの決別も見所。

このシーズンの主題は、全体最適のために個人を切りすてるべきか否か、ということかなと感じた。農場主が敬虔なキリスト教徒であることも寓意的。ただ、全体的に展開が遅く、若干いらいらするシーンも。

個人的な注目は、ボーガン使い・ダリルの活躍。親に恵まれなかったトラウマがありつつ、サバイバル能力に秀で、一匹狼っぽくふるまっているけれど、実は女子どもにはやさしいという、なんともツボを押さえたキャラ。


◆シーズン3
ウォーカーの大群に襲われた農場を捨て、安全な刑務所に逃げるリック一行。途中ではぐれたアンドレアは、他の生き残りグループが集う町に身を寄せ、その町を仕切る総督に出会うが、この総督がなんとも曲者。

このシーズンから明確に、もはや脅威はウォーカーではなく、対立する人間である、という位置づけ。生き残った人間同士、価値観が異なっても共存できるか?と問われている気がする。
総督の偏執的なキャラもあいまって、ちょっとしたスリラーの要素もあり、物語のテンポもよく、がぜん面白くなってくる。

シーズン1で生き別れとなったメルル(ダリルの兄)も登場。ローリの出産による死と、二つのグループの間に入ったアンドレアの死がなんとも痛ましい。初期メンバーがどんどん死んでいくのがやるせないけれど、ミショーンという日本刀の無双キャラも登場。
肝心の総督はご乱心の上、消息不明になるが、死んだわけではないみたいなので、いつかまたパワーアップして登場するのかと。


◆シーズン4(放映分まで鑑賞)
残された町の人と合流し、大所帯になった刑務所で、今度は謎の感染する病気が発生。病死でも、死後はウォーカーに転化するため、刑務所内は騒動になる。
物資補給に出かけるシーンでは、ダリル&ミショーンの無双コンビが見られて満足。さて、最新作はどうなることか?


シリーズ全体を通じて注目すべきは、決してウォーカーのグロさではなく、極限状態での人間の生き様。

人の命にかかわることの決断と、緊急事態にとっさに判断することの重責。
人間を信じるのか信じないのかの迷い。
人間は、極限状況でどこまで人間らしくいられるか。
そもそも、人間らしく生きるとはどういうことか。
…など、なかなか深い問いかけがある作品だと思う。


あと、そもそも「最初のウォーカーがなぜ発生したか」にはまったく触れられていないのだけど、そこは追求していかないのかな。
バイオテロや遺伝子研究の暴走などが原因で、リックが巨悪に立ち向かう!的なストーリーを妄想していたのだけど。ウォーカーはウイルスか何かで、自然発生的なものなのかしら。
まあ、まだシーズンは続くみたいなので、いつか言及されるかな。
by chatelaine | 2013-10-31 23:48 | 日々のエンタメ

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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