『名作シネマとオーケストラ』で観た『カサブランカ』レビュー

上野文化会館で開催された『名作シネマとオーケストラ』で、往年の名作「カサブランカ」を観てきた。
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セリフや歌声、効果音などの音源は残したまま、オーケストラの音声部分を完全に除去して、代わりに舞台で生オーケストラの演奏がされるという本公演。
上演前の舞台はこんな感じで、スクリーンとオケが待機。
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当然ではあるけれど、映画と曲が完全にマッチするあまり、ストーリーに夢中になると、オーケストラの存在を忘れてしまうほど。で、音楽が盛り上がるシーンで急にオケの音が大音量で鳴って、びくっとするという…。しかし、オープニングの高揚感はさすが生オケ!

映画の内容としては、「君の瞳に乾杯」や、「(恋人に昨夜の予定を聞かれて)そんな昔のことは覚えていない。(今夜の予定を聞かれて)そんな先のことはわからない」などの、甘くて皮肉な名セリフがバンバン出てくるラブストーリー。

斜に構えていながら実は優しいリック(ハンフリー・ボガート)と、とにかく美しいイルザ(イングリット・バーグマン)に眼福。ふたりの甘いパリを象徴する曲、「As Time Goes By」が胸にしみる。
しかし、信念を持って活動しているという点で、わたくしの目には活動家・ラズロ(ポール・ヘンリード)の方が魅力的に映ってしまったのだけれども。


それにしても、ラズロの資金はどこから?戦時下なのにみんな小奇麗でいい暮らしぶりだよね?リックのお店もやけに立派じゃない?
などなど、謎は多々残りつつも、野暮なことはいうまいと思わせる出演者のスター性。

また、映画の中では、当時の仏領モロッコ・カサブランカの様子や、大戦中の様子などもうかがえる。
カサブランカと言えば、ユリの品種のひとつで、てっきり花の名前だと思っていたのだけど、モロッコの都市の名前を指していたとは。しかも語源は「CASA BLANCA(白い家)」ということで、なんとスペイン・ポルトガル語だったのね。多重な意味がありそうなタイトル。

そもそも、第二次大戦中(1942年)に制作・公開された映画というのも驚き。ハリウッドにも政治的な思惑があるのだろうけど、当時の日本の暮らしぶりを鑑みるに、こんな映画をつくれちゃうなんて、アメリカは余裕だったのだなあと。
ちなみに、日本初公開は1946年と、戦後まもなく。

往年の名作系の映画はまだまだ観ていない作品がたくさん。DVDで観るのは簡単だけど、機会を見つけてスクリーンで観たいなあと思った。
by chatelaine | 2013-07-20 23:40 | CINEMA

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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