専門書のあいまに…

いつも電車内で本を読むことが多いのですが、最近はレポートのための専門書を読むことが多く、小説が読めないでいます。あーん、読みたくて買った小説がいっぱいあるのにぃ!

そんな中で読んでいる小説。
意図したわけではないのに、少年犯罪を扱ったものに偏ってしまいました。


三島由紀夫『午後の曳航』新潮文庫 読了

ほんの少しのズレ、おとなにはわからないような微細な感覚のズレで破綻してしまう、繊細なこどもたちの世界…。おとなを愚弄し、世界は自分たちのものと思ってはばからない、自尊心だけは高いこどもたちの描写。これが小説ならまだしも、現実になってしまっている現代社会は、おそろしいですね。

本書を読んで、酒鬼薔薇事件を思い出してしまうのは、私だけではないはず。もちろん、書かれたのは、その何十年も前なのですが。
特に、主人公たちが少年法を持ち出して、「14歳までなら大丈夫」と言ってのけるシーンは、鳥肌を覚えました。

「十三歳で登は、自分が天才であること、世界はいくつかの単純な記号と決定で出来上がっていること、人間が生まれるとから、死がしっかりと根が張っていて、われわれはそれに水をやって育てるほかに術を知らぬということ、生殖は虚構であり、従って社会も虚構であること、父親や教師は、父親や教師であるというだけで大罪を犯していること、などを確信していた」

すごい13歳だ…。三島がいかに文豪と言われていても、本作はぜったい国語の教科書には載らないでしょうね(笑)。教師の存在の否定だし。

「正しい父親なんてものはありえない。なぜって、父親という役割そのものが悪の形だからさ。厳格な父親も、甘い父親も、その中くらいの程よい父親も、みんな同じくらい悪い。
奴らは僕たちの人生の行く手に立ちふさがって、自分の劣等感だの、叶えられなかった望みだの、怨恨だの、理想だの、自分が一生とうとう人には言えなかった負い目だの、罪だの、甘ったるい夢だの、自分がとうとう従う勇気のなかった戒律だの、…そういう莫迦々々しいものを何もかも、息子に押し付けようと身構えている」

屈折してますなぁ。でも、父親攻撃はしてるけど、母親に対しては寛容なんですよね。うーん、エディプス・コンプレックスか?


コクトー『恐るべき子供たち』岩波文庫

まだ読んでいる途中で、“恐るべき”部分まではいっていないようです。やはり舞台がフランスゆえ、愛情と言っても、男女間の愛情、とすんなりはいかない…。

「彼はダルジュロスを探していた。ダルジュロスが好きだったのである。
この愛情は、愛情についての知識に先立つものだけに、いっそう彼の心をむしばんだ。それは救いようのない、漠然とした、強烈な苦しみであり、性慾も目的も伴わぬ清浄な欲望であった」

きゃー。若いっ!
しかしこれをピュアな愛ととるか、汚らわしい愛ととるかで、読む人の許容量がわかるよね(笑)



おまけ・マンガも立派な文化である

大場つぐみ/小畑健 『デスノート 7』集英社

久々にハマっているジャンプマンガ。このマンガのせいで、はじめてジャンプ本誌を立ち読みするに至りました。2巻あたりの、キラ vs L が拮抗していた、あの緊迫感が大好き。最近は…もう、立ち読みするまでそそられませんけど…。

で、この7巻。
ぎゃ~。知ってはいたけど、L&ワタリが死んでしまった…。ショック。なんか、新組織がやたら出てきたけど、これからどーなるんでしょ。

作中でドキドキさせるのも重要だけど、やっぱりひとつの作品として、どう終止符を打つかにも、作家の力量が問われると思うので、これは!というぐらいのラストを期待しますわ。特に、ジャンプだし…打ち切りという危険性も孕んでるんですよねぇ(苦笑)
by chatelaine | 2005-07-15 23:44 | BOOK

◆◆管理人:yukiko ◆◆欧州大好き、映画や舞台の偏向的レビューブログ。子連れになってリスタート。最近はもっぱら子連れ旅がメイン。


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